多くの内容をQiitaにて公開中
今のところ本書の電子版を発行する予定はありません.しかしながら,技術情報共有サービスQiita上にて大半の内容を公開しています.本書の内容は,Qiitaに掲載した記事に加筆・修正を施したものです.(そのため,存在しない内容もあります)
これはWebが冊子を衰退させるか否かの実験である
「Webで同じ内容を公開したら売れなくなるでしょ」という懸念はよくされるのですが,私はその定説に異を唱えています.そして本書の冊子化は,その懸念が杞憂であることを実証するためでもあります.
想像してみてください.もしオライリーが「冊子はやめて今後は全て電子書籍で発売します」といったら同じように電子版を購読する気になるか,電子書を読みながらプログラムを書く気が起きるか,と.筆者は残念ながらその気が起きません.実際,電子版しか存在しなかったSphinxの電子書籍を購入しましたが,結局殆ど読まずにWebサイトで何とかしてしまいました.Webサイトの情報に物足りなさを感じて電子書籍を購入したものの,結局Webサイトに戻ってしまったのです.この行動は,「冊子という媒体にはWebサイトにも電子書籍にもない価値がある」と,少なくとも私に思わせたから生じたものです.
この価値観はきっと多くの人にあるだろう,という事を実証するために冊子版を発行します.良く売れたらたぶん正しく,売れなかったら間違いなのでしょう.Webに欲する情報が載っていたらそれで満足するという層は,Webが無くて本だけあっても恐らく購入意欲は湧かないと思います.
現状,電子書籍にコピープロテクトという名目でガチガチの購読制限をかけているストアーが多数ですが,杞憂を恐れるあまりそんなことをするからろくに売れないんだということを,一読者として出版社や販売業者に訴えたいです.
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